著者

Pab San(パブ・サン)

音楽家、ベーシスト、作家。音、人工知能、工房、道具の論理、 そして権力の形を横断しながら『沈黙のプロトコル』を書いている。

『沈黙のプロトコル』は、公式な作家像から生まれた作品ではない。 音楽、工房、貧しい道具、機械、そして生の調整をすべて奪おうと する体系への長い不信から生まれた小説である。

パブ・サンのポートレート
ベース、工房、道具、小説。

軌跡

音楽、研究、そして権力の形をめぐる道筋

パブ・サンは、物心ついた頃からベースを弾いてきた。彼の地面には、 リハーサル、セッション、アレンジ、舞台の企て、そして命令とは 別の仕方で集団を支えるものへの執着がある。

音楽と並行して、数学と人工知能を学び、その後は大手コンピュータ メーカー数社で、AI開発とITインフラ案件に携わる R&D エンジニアとして働いてきた。そうした側面は権威の装飾として ここに置かれているのではない。技術が人間に代わって見て、 矯正し、調整しようとするとき、人間はどうなるのかという、 もっと具体的な問いへとつながっている。

その同じ糸は、パブ・サンが手がけるサイト、ツール、芸術実験にも 通っている。とりわけ ziklab.org において。『沈黙のプロトコル』では、その問いがより政治的で、 より地上的な場所へ移る。機械はもはや魅惑や脅威であるだけでなく、 権力の生息環境そのものになる。

沈黙のプロトコル

作品全体のなかのこの小説

『沈黙のプロトコル』は、他の仕事と同じ工房から生まれている。 ただしここでは問いが、紙、地下性、伝達、そして勝利した中心を 持たずに持ちこたえる循環のかたちへと移っていく。

レゾナンス が誕生と聴取を描いたのに対し、『沈黙のプロトコル』はその後を 描く。硬化していく制度、抵抗する身振り、そして支配の欲望に ひびが入ったとき、ふたたび人間の側へ戻ってくるものを。

このページが著者に輪郭を与えるのだとすれば、 ziklab.org は、その広い地平を見せてくれる。さらにその前段として、 レゾナンス が、この世界がまだ権力の形を取りきっていなかった頃を保っている。

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